アスパラガスの冬の手入れ
板木技術士事務所:板木利隆
アスパラガスは野菜の中では大変長命で、上手に管理すれば7~8年以上も収穫することができます。来年も良い芽がたくさん出るよう、これからの手入れを怠らないようにしましょう。
まず、晩秋に入り茎葉が完全に黄変してきたら、地際部から5~7cmのところをかまで刈り取って、その場で乾かし、畑の外に持ち出して処分します。この茎葉はアスパラガスの大敵である茎枯れ病や斑点病にかかっているものが多く、その病原菌は茎葉の中で越冬して、来年の発生源になります。散らばらないよう丁寧に集めて処分しましょう。
片づけたら、多く土寄せしていた場合は土を畝間に戻し、少なかった場合はそのまま、畝間の通路部分を中耕しながら、畝の両側に図のように深めの溝を掘り、その中に粗め(完熟度が中程度)の堆肥(たいひ)や雑草を干したものなどと油かすを施し、根株を埋めるように、畝上に土を大きく上げておきます。こうすることで防寒できるので、寒い地域ほど盛り上げる土を多くします。
そして、越冬後の3月ごろ「寄せ土戻し」として、盛り上げた土を萌芽(ほうが)に支障のない程度に取り除くようにして、畝間に落とします。
その際に、春の追肥として緩効性の化成肥料や有機配合肥料などを畝間に与えるようにします(どちらの肥料も一株当たり大さじ2を目安に)。このように再三、土を動かすことにより、地面付近に落ちていた雑草種子の発芽を抑え、除草の手間も省きます。
栽培年数がたち、株元の根が過密になり、根群全体が浅く盛り上がるようになったら、冬の間に根株全体を掘り上げ、分割してほかの畑に株間を広めて植え替え、再び勢いを回復させます。
JA広報通信より