低い支柱で省力、キュウリの誘引
板木技術士事務所:板木利隆
節なりキュウリ(主枝の節ごとに着果する特性を持つ品種)は、通常1・5mぐらいの高さの支柱を交差させて主枝1本を伸ばし、子づる、孫づるは丹念に2節目で摘心し続ける誘引・仕立法を取るのが通常ですが、この方法では風当たりの強い所や乾きやすい畑では案外寿命が短く、良品多収にはならない場合も多く見られます。
このような畑では、1・2mぐらいの短い支柱を用い、90cmぐらいの低い交差位置までは、通常の高い支柱と同様に子づるは2節で摘心し、交差点まで届いたらそれ以降は図のようにつる先を反対側に垂らすよう伸ばし、込み合ってきたらその都度、摘心・摘葉する程度に止めて、茎葉を茂らせる誘引・整枝法がおすすめです。
草丈が低いので風当たりによる葉ずれや葉折れが少なくなり、葉層が厚くなるので地面が乾きにくくなり、高めの空気湿度を好むキュウリは後期まで勢いを保ち、良質の果実をならせ続けます。1日置きぐらいに、誘引、摘心する手間が、つる先が下方に垂れないよう、横に2~3段に張った誘引ひもに引っ掛ける程度で済むので、大変省力化されます。
ただ欠点は、収穫最盛期に入るころには葉が重なり合うので、果実が葉陰になり見つけにくくなってしまい、探すのに時間がかかる点です。そのため大規模な営利栽培には向きませんので、あくまで家庭菜園向きの方法です。
また、葉が込み合うので、風通しが悪くなり、アブラムシやベト病などが多発すると防ぎにくい欠点もあります。出やすいところでは早めに防除しておくことが大切です。
JA広報通信より