ナガイモ掘りは適期を誤らず入念に
板木技術士事務所:板木利隆
夏から秋にかけて、さかんにつるを伸ばしてきたナガイモは、晩秋の寒風が吹き始めると茎葉が黄変します。そして、やがては枯死してしまいます。そのため、掘り取る時期は、このような茎葉の変化をよく見極めて決めることが大切です。
一番の適期は、葉がすっかり黄化し、全体が枯れ始めた状態になったときです。緑の葉が残っている中、早く掘り過ぎると、イモをすりおろした際に褐変しやすくなってしまいます。
掘り取りは、できるだけ晴天続きを見計らって行いましょう。雨天の後、畑が過湿状態のときに掘ると、貯蔵中の腐敗が起こりやすくなります。根を深く形成している長形のナガイモは、地温低下の影響を受けにくいので、収穫が遅れても、浅根で短形のヤマトイモのように低温害を受ける心配は少ないです。
作業では、つるをイモの首の上5~6cmのところで刈り取り、茎葉を片づけてから掘り取りにかかります。ナガイモは折れたり、傷ついたりしやすいので、株の周り30cmぐらい離れた所から、スコップを立てるようにして、少しずつ慎重に掘り進めます。
イモの先端より少し深い位置まで注意して土を取り除き、傷つけないよう丁寧に掘り上げましょう。図のように幅の狭いスコップや鉄棒などを用いると、効率良く作業を進めることができます。
掘り上げたイモは、直射日光や強い風に当てないよう、土や覆いを掛けて肌を変色させないようにし、畑から搬出しましょう。
少量のものを短期間保存するには、新聞紙に包んで常温下に置くだけでよいのですが、たくさん取れたら、排水の良い畑地で図のように埋設貯蔵します。
0度以下では凍害を受けるので、貯蔵適温は2~5度を保つようにします。来春まで長期間持たせるには、低温貯蔵庫を利用しましょう。
JA広報通信より