ジャガイモの植えつけは適期に、良い種芋で
板木技術士事務所:板木利隆
梅の花が咲き終わり、土のぬくもりが感じ始められるころ(関東南部以西の平坦地域なら3月上旬)になると、ジャガイモの植えどきです。あまり早く植えると地温不足のため芽が伸びてきません。また、植え遅れると成育の後半期が高温になってしまうので、肥大の適温日数が足りず、病害も多発してくるために収量が十分に上がりません。
種芋を選ぶ上で重要なのは、ウイルス病やそのほかの病害虫に侵されていない、検査に合格した種芋用として市販されているものを選ぶことです。休眠から目覚め、ほどよく芽が伸び始めたものを用いましょう。図のように大きいものは芽が均等につくよう縦に切り割り、1片を25~30gにして、切り口を下方に向けるように植えつけます。切って2~3日置き、断面を乾かしてから植えるのがいいともいわれますが、良い種芋ならすぐに植えても差し支えないでしょう。
最近は、長年の代表品種の「男爵芋」「メークイン」などだけではなく、各種の用途に向く個性派の新しい品種がお目見えしました。例えば「キタアカリ」(粉質、煮上がり早く、レンジ調理にも)、「キタムラサキ」(皮・肉とも紫、煮崩れ少)、「インカのめざめ」(濃厚で独特な風味、煮物、チップ、フライ、レンジ調理にも)、「アンデス赤」(粉質、良食味でサラダに向く、カロテン含量多)、「十勝こがね」(煮物、フライ、加工調理にも、貯蔵性高い)などです。「花標津」「レッドムーン」「ワセシロ」「ベニアカリ」「マチルダ」など、花色や花形を楽しめる品種もあります。
これらの新しい品種の種芋は、出回りが少ないので、早めにJAや種苗会社などに手配しておく必要があります。
JA広報通信より