JA愛知北

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越津ねぎ

栽培の歴史と産地背景について

 古くは江戸時代中期に現在の愛知県津島市越津町周辺で栽培され始め、当時は徳川幕府への献上品として扱われていました。その後木曽川沖積地帯を中心に広く栽培され、現在では江南市を始め一宮市、津島市、稲沢市などで栽培されています。

 JA愛知北としては、平成12年に江南市と岩倉市が国からねぎの指定産地に認定され、主要野菜の一つとして確立されました。出荷時期は11月から3月までで、中京地域をはじめ関東地域にも安定した出荷販売を行っております。

品種特性と栽培のポイントについて

 関東・東北地方で代表的な白根の部分を主に食用とする根深ねぎ(下仁田ねぎや千住ねぎ)と、関西以西で代表的な緑の葉の部分を食用とする葉ねぎ(九条ねぎなどの青ねぎ)との中間的な性質を持ち、柔らかく、葉の部分と軟白(白根)部分の両方とも食べられるのが特徴です。

 さらに分けつ性(白い茎の先から緑の葉の部分にかけて株別れする性質)が強いため九条ねぎ群に分類されるようですが、通常の一本ねぎよりやや細いが水分が多く柔らかく、甘味があり鍋物から生食まで使用できます。

 栽培に適した土壌は軟白部を長く育てるための土寄せに最適な土壌が必須となります。固すぎず柔らかすぎずといった中間的な土壌が必要です。又、干ばつには強く水(湿気)には弱いといった特徴をもつため排水対策が重要となります。

栽培の年間スケジュール

JA愛知北の取り組み

安全・安心・良質な越津ねぎの生産・出荷を行っております

 JA愛知北布袋支店管内の江南市園芸組合ねぎ部会は、越津ねぎ出荷前に目揃会を開催し、出荷規格の統一による共選出荷を実施しております。又、生産農家のすべてが栽培ほ場ごとに栽培日誌(生産履歴)を記帳し、JAに提出確認することにより、栽培、施肥や防除等の履歴が分かるよう管理しております。

あいちの伝統野菜として知名度向上をめざして

 JA愛知北では、『あいちの伝統野菜』の一品目として知名度向上を目指して、“江南市料理コンクール”での入賞作品の料理方法を記載したパンフレットを作成し、越津ねぎを使用した調理、食べ方などを紹介しています。

 また、越津ねぎのネーミング入り結束テープを使用し消費者の方々まで名前が伝わるようにしています。さらに消費者ニーズに合わせた鮮度感ある“土つき越津ねぎ”の出荷も行っております。

 テレビ番組でも「越津ねぎ」が取り上げられる機会が増え、テレビ局や新聞社などの取材の問い合わせも年々増えてきております。栽培しているねぎ畑の様子やねぎ料理の紹介などがされ、広く全国に江南市布袋地区の「越津ねぎ」が紹介されています。一層ブランド化が進み、伝統野菜としての品種を今後も発展させていきたいところです。

伝統野菜とは

各都道府県において、時代の流れの中で淘汰されることなく受け継がれ、現在の野菜作りの礎となった風土に根付いた野菜を、歴史的に見直し今後も活性化していこうとする動きの中で、調査により選ばれた品種のこと。
選定された条件には4つ定義があり以下の通りです。

  1. 今から50年前には栽培されていたもの
  2. 地名、人名がついているものなど愛知県に由来しているもの
  3. 今でも種や苗があるもの
  4. 種や生産物が手に入るもの

愛知県内では35品種が選定されております。

あいちの伝統野菜

 また、越津ねぎ知名度向上を目的として、「全国ねぎサミット」へ出場し、全国のねぎ産地が集まる中、越津ねぎをPRしております。イベントでは、「越津ねぎを使ったチヂミ」や「越津ねぎ天ぷら」など普段とは違った食べ方を紹介し、越津ねぎの消費拡大を目指しております。

主要産地 江南市布袋地区
作付面積 5.0ha
出荷量 84トン(令和5年度)
出荷先 中京方面、関東方面
収穫・収穫時期 11月上旬~翌年3月