JA愛知北管内の扶桑町守口大根漬物組合では、12月20日に丹羽郡扶桑町の同JA野菜集出荷場にて優良品種を選抜し来年用の種子を取る母本選抜を行いました。母本選抜とは、病気に強いものや優良品質の安定しているものを選抜する作業であり、30年以上続く「守口大根」のブランドを守り抜くための最も重要なものです。
当日は県職員や加工業者、生産者ら合わせ27人が参加し、良い形状もの30本を次年度の採種用として選抜しました。
JA愛知北は、愛知県北西部の木曽川の流域に位置し、古くからダイコンやゴボウなどの根菜類の栽培が盛んです。贈答用として全国で販売される「守口漬け」の主原料である守口大根の全国生産量の70%を占めています。
母本選抜に先駆け、12月17日には初出荷が行われました。同出荷場に12kg毎で束にされた守口大根が持ち込まれ、6人の生産者が約10トンの守口大根を出荷しました。今年は、台風や長雨の影響で生育が遅れましたが、収穫時期を遅らせるなどの調整を図り例年並みの品質となりました。
同漬物組合長の天野さんは「漬物需要は年々減少しているが、2年余の長い年月を経て誕生する「守口漬」を通じて、伝統的な食文化を広めていくと共に伝統野菜の生産者として「守口大根」を守っていきたい」と話しました。
出荷は今後ピークに入り、翌1月下旬までつづき契約数量の172tを共同出荷します。