お米で健康
和食に欠かせないお米
管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希
「和食」はユネスコ無形文化遺産に登録されましたが、忙しい日々を過ごしていると、毎日・毎食の食事がおろそかになってしまうこともあるのではないでしょうか。五穀豊穣(ほうじょう)や実りの季節を迎える秋に和食文化の保護・継承の大切さについて考えようと制定されたのが「和食の日」である11月24日(いい日本食の日)。あらためて、和食文化とはどのようなものか考えてみましょう。
まず初めに、一汁三菜を基本とする食事スタイルです。和食は米飯を主食とし、汁・菜・漬物によって構成されます。味付けはだしのうま味をベースとし、しょうゆやみそ、酢などの伝統的な調味料を用いて作られます。このような形を取ることで、自然と理想的な栄養バランスになるといわれています。
さらに日本には四季があり、海・山・里と豊かな自然が広がっています。各地で地域に根差した食材を利用する地産地消の文化。また年中行事などを行い、郷土料理が振る舞われます。このような料理で食卓を囲むことで地域や家族が育まれていくのです。
食べる姿勢も大切で、同じアジア圏でも中国や韓国では箸以外に汁物などをいただくときはスプーンやれんげなどを主に使用しますが、日本は「箸」中心です。さらに自分用の箸や茶わんがありますが、一汁三菜と自分用に盛り付けられた料理をいただく日本独自のもので他国に少ないスタイルともいわれています。
「単品食べ」「糖質オフ」など偏った食事や、コンビニや外食ばかりといった「バランスの取りにくい食事」など和食の良さを忘れていないでしょうか。いま一度、旬の食材に目を向け、ご飯中心に汁や漬物などバランス良く家族みんなで食べるなど、食べ方にも気を付け「食べ物をいただく」ことに感謝しましょう。
柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。
【JA広報通信2018年10月号から引用】