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私の食育日記 食品に付くカビを防ぐ

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食品に付くカビを防ぐ

食育インストラクター●岡村麻純

 わが家の朝食はパンを焼いています。そのパンに付けるジャムを選ぶのが息子の朝の楽しみです。しかし親としては糖分の取り過ぎや虫歯も気になるので、甘さ控えめで手作りするか、買うときもできるだけ糖度の低い物を選ぶようにしています。そうするとどうしても日持ちがしなくなります。先日も旅行から戻ったら、息子が大事に食べていたジャムのふたにカビが生えていました。こうしたジャムやパンなどの食品に付くカビ。梅雨時だけでなく秋にも多いとされています。
 カビは一つ一つは肉眼で見ることができません。目に見えているのは、カビがたくさん集まった集合体です。つまり、目で見えるほどカビが生えているということは、目で見えないカビもたくさん潜んでいる可能性があるのです。そんなカビの中にはカビ毒と呼ばれる、体に害を与える物があります。カビを長期間摂取した場合、発がん性があることが分かっています。また、カビ毒は熱にも強いので加熱したからといってカビ毒がなくなるわけではありません。少しでもカビが生えてしまったら食べないことをお勧めします。
 カビが生えるには温度、水分、酸素、養分が必要です。カビは25度前後が最も生えやすいとされますが、マイナス5度ぐらいまでは生育できるため、冷蔵庫中でも生えてしまいます。また、糖分や塩分が多くなると逆に生えにくくなるので、ジャムの場合は糖度の高い物の方が、カビが生えにくくなります。しかし、一度開けて空気に触れてしまうとどうしてもカビが生える可能性があります。開けたら早めに食べるようにしましょう。早く食べ切れない場合はジャムを小分けにして冷凍しておくのもお勧めです。
 本当に恐ろしいイメージのカビですが、私たちが普段食べているみそやしょうゆもカビを使って製造しています。おいしいカビだけいただきたいですね。

岡村 麻純(おかむら ますみ) 1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。

【JA広報通信2018年10月号から引用】