私の食育日記
とろみつけ
食育インストラクター●岡村麻純
娘も1歳半となり、いろいろな物が食べられるようになりました。でもまだ歯は前歯だけ。そのせいか、繊維の多い物、形の残りやすい物はうまくかみ切れないようです。そんなとき、少しだけとろみをつけてあげると食べやすくなります。
とろみをつけるときに、代表的なのが片栗粉です。片栗粉は、もともとはカタクリという草の根茎から作られていたそうですが、いまはジャガイモから作られています。このとろみは、でんぷんに水を加えて加熱していくと粘度が上がり、のり状になっていく性質を利用しています。
片栗粉以外にも、でんぷんの粘性を利用して調理に使われている物がたくさんあります。トウモロコシから作られるコーンスターチや餅米のでんぷんで作られる白玉粉。他にも、ワラビの根茎のでんぷんを利用して作られるわらび餅、キャッサバという芋のでんぷんから作られるタピオカなどもあります。この中で、片栗粉はとろみがつき始める温度が低く、すぐに粘度が上昇するため、一番身近に利用されています。
コーンスターチは片栗粉よりはとろみはつきにくいですが、片栗粉は温度が下がると粘度が減少してしまうのに対して、コーンスターチは冷やしてからも粘度が上昇します。そのため、カスタードクリームなど、冷やして食べる物のとろみつけに向いています。
普段の調理の場合は、でんぷん粉がなくてもとろみをつけることができます。例えば、小麦粉。カレーやミートソースを作るとき、炒める際に小麦粉を入れてとろみをつけます。また、生のジャガイモやレンコンをすりつぶして入れ、加熱すると、とろみがつきます。他にも、モロヘイヤやオクラなど、ねばねば野菜を刻んで加えてとろみをつけてもまた違った味わいになります。
いろいろな味を体験してほしいこの時期。とろみつけも、いろいろな食材を使って毎食変化を付けてみたいと思います。
岡村 麻純(おかむら ますみ) 1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。
【JA広報通信2018年11月号から引用】